やはりバットマンビギンズは傑作ですb

 PCでブルーレイが観れるようになった、ということで、個人的に好きな作品「バットマンビギンズ」とその続編「ダークナイト」の二作を購入しました。
 今回は、バットマンビギンズについてのお話です。

 映画のバットマンは、子供の頃から観ていまして、現段階では、初代バットマン以外は全て視聴済みです。また、二作目となるバットマンリターンズや三作目のバットマンフォーエバーなんかは、何回も観た記憶がありますね。(まあ、単にロードショーでやっているのを観たとか、他に観るものがなかった程度の理由ですがw)初代は、リターンズと同じくティムバートン監督が手掛けているそうですが、個人的にティムバートン監督のファンなんで、いずれは観ておきたいと思っています。
 バットマンビギンズに関しては、新聞の宣伝か何かで上映していることを知り、ああ、新作やってるんなら観に行こうかな、程度だったのですが、いざ上映が開始されると、その内容に衝撃を受けたものでした。
 バットマンのイメージとしては、例えるなら不思議の国のアリスのワンダーランド的なちょっと奇妙な世界というのがピッタリだと思います。実際、バットマンのヴィランとして登場する人物の中には、明らかにアリスを意識した奴もいますので、少なからず影響はあったのではないでしょうか。そのため、バットマンとティムバートン監督という組み合わせはマッチングとしては絶妙だったのではないか、と思うわけです。
 バットマンビギンズは、クリストファー・ノーランという名の人で、当初、僕は全く知らない人だったのですが、この人は徹底的にリアリティを求めるタイプの監督だと思います。そういう点では、ノーラン監督は、ティムバートン監督とは逆のタイプだと言えそうです。ノーラン監督が手掛けたバットマンは、これまでのバットマンのイメージとは明らかに違う異質なものではありましたが、これがバットマンの本来あるべき姿なんだ、と思わせるような説得力があったのです。

 以下、作中のネタバレも含むため、ご注意ください。
 バットマンビギンズが衝撃的だと感じたのは、上映が始まってから少し経った後のシーンでした。それは刑務所の中でブルースが受刑者達と喧嘩を始める、といった別にどうってことのないシーンですwしかし、当時の僕は、このシーンを見たとき、あれ?入る劇場間違えたのかな?と思ってしまいました。バットマンと言えばアメコミですし、アメコミの映画は基本的にそれと分かる雰囲気というか、ノリがあったりするのですが、このシーンからは特にそういったアメコミ的なものは全く感じられず、本当にバットマンの映画なのだろうか?と思わさせられる何かがあったのだと思います。(上手く言えなくてもどかしいのですがw)
 とりあえず言えることがあるとするなら、バットマンビギンズは、これまでのシリーズのワンダーランドや狂気の世界ではなく、現実に近いリアルな世界だと言えます。そんな世界観でも不思議とマッチするのは、バットマンの持つテーマは、現代社会が抱える問題に触れたものであるためかもしれません。

 ところで、ブルースが刑務所に入っていた理由ですが、彼は、犯罪者の世界に自ら足を踏み入れることで、彼らの心理を学ぼうとしていたからです。しかし、道を見失ってしまい、受刑者と喧嘩する毎日に明け暮れていた、というわけです。そこへ、ラーズ・アル・グールの使者がやって来て、彼なら正しい道を示してくれるだろうとブルースに助言します。ブルースは、ラーズ・アル・グールの元で修業を積み、心身共に鍛えられるわけですが、ここでブルースの過去やトラウマについて触れられます。この過去とトラウマこそ、バットマンを語る上で非常に重要な要素であると僕は考えております。

 バットマンは、コウモリの姿を模した格好をしているのですが、もちろん、クールだからとかそんな理由であんな格好をしているわけではありませんw
 ブルースは、幼少時代、幼馴染のレイチェルと遊んでいる時、古井戸に落ちてしまいます。そこはコウモリの巣窟であり、驚いたコウモリ達は一斉に飛び出しますが、幼いブルースにとってはあまりにもショッキングな光景だったためか、それ以降、彼のトラウマとなってしまいます。そして、このトラウマこそがバットマンというヒーローを確立するための重要な要素だというわけです。
 バットマンがコウモリの格好をするのは、敵にも自分と同じ恐怖心を植え付けさせるため、という理由からです。実際、バットマンビギンズにおけるバットマンの最初の活躍シーンでは、敵は、どこから襲ってくるか分からない得体の知れない存在に恐怖し、発狂して銃を乱射したりもします。僕はこのシーンを見た時、これがバットマンの本来の姿なのだと理解したのです。
 ちなみに、バットマンが派手な恐怖演出に拘るのは、ラーズ・アル・グールの言葉からヒントを得たためだと思われます。彼は、日本の文化(若干胡散臭いw)にも精通しており、忍者が火薬などのトリックを使うのは、相手に只者でないと思わせるためだと言います。バットマンは他のヒーローのように超人的でもありませんし、何か特殊な能力を持っているわけでもありませんが、こうした演出によって、敵に只者ではないと思わせているわけですね。まあ、バットマンは、見かけ倒しのハッタリ野郎ではなく、格闘技も強いわけですがw本作での乱闘シーンは、クールで見応えありましたねb

 それともう一つ。ブルースの両親は、ブルースが幼い頃に、強盗の凶弾に当たって亡くなっています。しかも、ブルース自身はその現場を目撃しており、もし、自分があの時あんなわがままを言っていなければ、両親が死ぬことはなかっただろうと責め続けるようになります。
 少し話は逸れますが、両親の敵というのは、個性のちゃんとした悪役であることが多いと思います。その方が物語的には盛り上げやすいから、というわけですね。しかし、この両親を襲った強盗は、ただの強盗である、というのがポイントでもあるわけです。
 ブルースの両親を殺した強盗は悪として描かれており、復讐心を燃やすブルースの心情も視聴者に訴えるものがありました。加害者がいくら罪を償ったとしても、それで大切な人が返ってくるわけでもなく、怒りがおさまることも決してないのです。残された遺族が望むのは、加害者の死だけです。
 本作は、強盗(もしくは犯罪者)は悪であるということを前提に、では、彼らはどうやって生み出されたのか?というところまで踏み込んでいます。この点は、作中でレイチェルが説明してくれるのですが(結構不自然なシーンw)、景気が悪化することによって失業者が増え、生活に苦しむ者が出始める。その人物は、生き残るためにどのような手に出るのだろうか?その一つが強盗なのだ。つまり、一人の犯罪者を裁いたところでまた新しい犯罪者がまた出るわけでして、街全体が良くならない限り、悲劇は繰り返されるというわけです。
 ブルースが、バットマンとして戦うことを決意したのは、そうした歪んだ社会を正すためというわけです。ちなみに、ブルースの父は、億万長者だったわけですが、彼は慈善家でもあり、街全体を良くしようと行動していた一人でもあったわけです。一時期は、強盗に命乞いをした臆病者と言われたりもしましたが、様々な人の証言から彼が高潔な人物であったことが伺えます。ブルースは、そんな父親の志を引き継いだのかもしれません。

 映画バットマンでは、必ずヴィランが存在するわけでして、バットマンビギンズでも例に漏れず登場します。しかし、ヴィランとの戦いを全面的に出している今までとは違い、本作は、バットマンが誕生するまでの過程とゴッサムシティに巣食う悪との戦いがメインだと言えますので、敢えて全面的に出さなかったのだと思います。
 ちなみに、本作のヴィランは、恐らく、バットマン史上、最も強い力を持っていると思われるラーズ・アル・グール。なんでこんな超大物ヴィランをビギンズに持ってきたんだwって感じですが。まあ、映画では一度も出ていないヴィランですし、そういう点で選ばれたのかもしれません。
 この役を日本が誇る名俳優、渡辺謙が演じているわけですが、ネタバレしますと、実は、彼が演じているのはラーズ・アル・グールの影武者だった、というオチw出番も最初の方だけです。当時、彼目当てでこの映画観に行った方は、ちょっと残念に感じたかもしれません。
 ラーズ・アル・グールは、ヴィランではあるのですが、彼が行おうとしているのは正義であるというちょっと一風変わった性格を持っています。そんな彼が何故バットマンと敵対することになるのか、簡潔に言えば、罪人をどう裁くのか、の違いだと思います。バットマンは、暴力こそ振るいますが、殺しはしません。あくまでも悪を正すことに拘ります。一方、ラーズ・アル・グールは、罪人は処刑するべきだと考えています。この意見の不一致により敵対することになるわけです。ラーズ・アル・グールは、腐敗し尽したゴッサムシティは、滅ぼされるべきだと判断し、その実行に移ろうとします。一方、バットマンは、それでもまだ救いはあると考え、阻止しようとします。そして、物語はクライマックスを迎えるわけです。
 それと、ビギンズには、知名度がリドラーと並んで低いスケアクロウが登場します。まあ、ただマスク被って薬ばら撒くだけの奴なんですが、こいつはトラウマを持つバットマンにとっては天敵でして、一度、バットマンを撃退することに成功しています。が、その後は散々でして、最後はレイチェルの護身用スタンガンで悲鳴を上げながら逃げていくという情けなさwまあ、それでも個人的にはなかなか気に入ってますけどw

 ビギンズで衝撃的だったのは、リアルな世界観だけでなく、バットモービルのデザインもそうだと言えます。今までは、スーパーカーのようにクールで洗練されたデザインだったのですが、ビギンズのバットモービルは、なんと重量級の装甲車だったりしますwカーチェイスのシーンでも周囲のものを破壊しながら進む様は圧巻!もちろん、多彩な機能も引き継がれていますし、重量級のクセに大ジャンプなどのスタントも決めたりするので、鈍重であるというイメージは与えませんwむしろ、スピードがあってかつパワフルです。スーパーカーから装甲車にした意図は不明ですが、この大胆な試みは、少なくとも僕の心をガッチリと掴みました。このタイプのバットモービルが活躍するシーンは、何度見ても興奮しますねw

 他には、台詞回し等もセンスがあると思いますね。登場人物が時々哲学的なことを喋り出すのは、不自然ではありますが、同時にクールだとも思えますし、何気ないセリフでも格好良いと思える魅力がありますね。
 それから、執事のアルフレッドはシリーズ恒例の役者さんだったのですが、今回から新しい役者に。個人的には適役だと思いましたし、始終、堅苦しい(良い意味でも)本作においては、彼のユーモアのある発言がちょうど良い息抜きになっていますね。

 バットマンビギンズは、これまでのバットマンの常識を変えた作品であると僕は思っております。もちろん、今までのバットマンも魅力的でしたし、前述した通り、バットマンとティムバートン監督は相性が良いと思っております。(リターンズの後の二作は、まあ無難に楽しめる程度でw)しかし、バットマンとノーラン監督の組み合わせも相性が良いのではないかと思いました。むしろ、個人的にはこっちの方がしっくりくる感じですね。
 バットマンビギンズは、バットマンの原点回帰、つまり、バットマンというヒーローの姿が本来どういうものであるべきなのか、それを描いた作品だと言えます。

 次回は、アメコミの領域を超えたと称された、バットマンビギンズの続編、ダークナイトについて話そうと思います。

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桜の灯籠

Author:桜の灯籠
ジャンルでは、RPGやFPSが好物。
シリーズだと『ゼルダの伝説』『ポケモン』『The Elder Scrolls』『Halo』かな。
でも、面白ければ何でもやるぜb

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