幻影異聞録♯FE 歌の力を再確認できた、そんな素敵なRPG

 今日の話題は、『幻影異聞録♯FE』です。

 本作は、当初、インテリジェントシステムスの『ファイアーエムブレム』とアトラスの『女神転生』のコラボ作品として発表されていました。どちらも手強いゲームでありながらも根強いファンの多いシリーズであることで有名ですが、実際に出来上がったものは、まさかのアイドルをテーマにしたRPGでして、多くのファンが戸惑ったんじゃないかと思います。まさに、コレジャナイ、と。
 しかし、本作をプレイしてみればすぐに分かることですが、RPGで重要とされる、登場人物、シナリオ、ゲームシステムそのどれもが魅力的でして、スタッフの並みならぬ情熱が感じられる程に作り込まれているんですよね。そして、何よりも凄いのが、ボーカル曲がなんと18曲も収録されているということ。そして、これがまたポップでキャッチ―なものが揃っていまして、親しみやすく、気が付いたらつい口ずさんでいた、なんてこともあるかもしれませんw

 最初は、PVにてチキがボイス有で「おにいちゃん」と呼ぶ姿に顔をしかめたり(ちなみに、原作でもマルスのことをおにいちゃんと呼ぶので設定的にもなんら不自然でもないのですが、ボイス有だと、ねw)、そもそもアイドルにそこまで興味が無かったり、なんか、キラキラし過ぎているなぁ……と思って避けていたのですが、ここ最近、アトラスのゲームが良作続きであること、そして、この幻影異聞録♯FEも例外ではなく、傑作との高評価だったのを知って、買ってみたわけです。
 実際にプレイしてみても、あまりいい印象はなく、キャラのノリについていけず、戦闘もダンジョン探索も単調だなぁ……と思っていたのですが、先に進めるにつれ、物語的にもゲーム的にも段々と面白くなってきましたし、サイドストーリーで腹を抱えて笑ったり、登場人物の歌を聴いて感動したり……あまりにも良曲揃いだったので、遂にボーカルコレクションを買ってしまったりしたものです。そして、感動のフィナーレを迎えようとする中、ゲームを終わらせてしまうことへの勿体なさ、つまり、彼らのいるこの世界から離れたくない、という思いが残りました。

 ゲーム的には、確かに難所もあるとは言え、基本的には、サクサク進める内容ですし、物語としても個性的な人物ばかりであるにもかかわらず王道な展開で上手くまとまっていますし、何よりも、単に悪を滅ぼすというありきたりな内容ではなく、むしろ、仲間たちの成長を中心に据えた内容であることが好印象でした。
 本作は、アイドルに興味がなかったとしても、十分に楽しめる内容ですし、むしろ、誰でも楽しめる様なそんなRPGだと思います。是非、手に取って遊んでみてください。

 ・力の源は、芸能
 本作は、ミラージュと呼ばれる過去の英雄たちの力を借りて戦うRPGなのですが、その力の源は、『パフォーマ』、すなわち人の中に秘めた芸能なのです。つまり、ミラージュと契約した者、『ミラージュマスター』たちは、芸能を磨くことで力をつけていくわけでして、これが仲間たちの成長物語へと繋がるわけです。ちなみに、こうした仲間たちの物語は、サイドストーリーとして個別に描かれていますが、サイドと付いていながらも、メインにも劣らぬ魅力を持ったエピソードの数々が見どころだと言えます。

 プレイヤーは、主人公、蒼井樹となって仲間たちと協力したり、悩みを聞いたりするのですが、その結果、仲間は、新しい芸能に目覚め、番組に出演したり、新曲を発表したりするわけです。ドラマなどの場合は、ワンシーンが流れるくらいですが、新曲の場合は、プロモーション用のビデオ、あるいは、コンサートの模様をフルアニメーションで見てくれるなど、かなり豪華な仕様です。歌はもちろんですが、ダンスの振り付けにも注目です。ぬるぬる動きます。
 また、歌詞の内容が、丁度、その人物の心境を語ったものなので共感しやすく、また、彼らの頑張る姿を見ていたからこそ、応援したくなるんですよね。(ボーカルコレクションを買ったのは、その結果というわけですねw)あと、友達がアイドルになって成長していくのって、ああ、こういう感覚なんだな、と思ったりw
 もちろん、サイドストーリーの魅力は、歌だけでなく、仲間たちの普段は、見せない素顔が見れる機会でもありますし、彼らの意外な一面を知ることになるかもしれません。特に日常とのギャップが激しいキャラなんかは、かなりシュールに見えてしまいますが、それがきっかけでそのキャラのことが好きになったり、なんてこともありましたね。

 ちなみに、本作の登場人物は、歌ったり踊ったりすることもあるわけですが、そのためか、キャラクターのモーションや表情の変化などが実に豊かなんですよね。なので、イベントシーンは勿論、会話などでも色んなリアクションをとってくれるので感情移入しやすかったです。(個人的には、慌てふためていてる時のまもりがピョンピョン跳ねているのが好きですねw)

 ・ライブのような戦闘システム
 本作のバトルは、ターン制のコマンド式が採用されていますので、じっくり考えながら遊ぶことが出来ます。また、女神転生の弱点を突くというシステムとFEの三すくみを両方採用した形となっていまして、例えば、斧を持った敵を弱点である剣で攻撃すると大ダメージが与えられる、といった具合ですね。
 さらに、FE覚醒から採用されたデュアルアタックに近いシステムとして、敵の弱点を突くと『セッション』が発生し、味方がセッション用のスキルで追撃してくれます。つまり、弱点を突いてセッションを発生させ、連続してダメージを与えていくことで、効率よく敵を倒すことが出来るわけです。

 物語を進めていくと、セッション出来る人数がどんどん増えていく他、ランダムで発生するアドリブパフォーマンスでより効果の高い攻撃を仕掛けたり、SPと呼ばれるゲージを消費することで必殺技を繰り出したり、更に、二人の仲間が連携して技を繰り出すデュオアーツが発生するようになったりするなど、段々と派手になっていきます。
 ちなみに、アドリブパフォーマンスとデュオアーツは、仲間たちがサイドストーリーを通じて得た芸能を生かした技となっていまして、格好良い必殺技や絶妙なコンビネーションはもちろん、歌とダンスをしながら攻撃するという華やかなものや、コントみたいなシュールなものまで様々なものが用意されています。(特にエリーの弓技のアドリブと樹&つばさのデュオは、シュール過ぎて何度見ても笑ってしまいますw)

 正直、序盤の頃の戦闘は、地味な印象でしたが、色々と出来ることが増える度に舞台が盛り上がっていき、どんどん楽しいものになっていきました。つまり、これは、バトルではなく、ライブなのだ、と思う様になりました。

 ・自由度のあるキャラクターの成長システム
 本作のキャラクターの育成は、経験値を溜めてレベルアップすることでパラメータが上昇していきますが、カルネージ(RPGでいうところの武器)の熟練度を上げてスキルを習得することが出来る他、仲間の芸能の力を高め、かつ敵から得たパフォーマを消費することでレディアントスキル(アビリティのようなもの)を習得することが出来ます。つまり、敵を倒していくだけでなく、サイドストーリーを進めることも仲間の強化に繋がる、というわけですね。

 序盤の頃は、とりあえず、カルネージから得られるスキルを全て習得したら、次の武器を作って……を繰り返していればいいのですが、中盤辺りからスキルの取捨選択の必要性に迫られます。例えば、蒼井樹は、剣技、雷魔法、回復、補助とバランスよく覚えますが、オールラウンドに対応できるように満遍なく習得させるか、剣技に特化するか、といった風に自分好みに成長させることが出来ます。ちなみに、物語を進めると、一度忘れたスキルももう一度習得できるようになるため、そこまで難しく考えなくてもいいのがいいですね。
 また、FEでお馴染みのクラスチェンジ要素もありまして、バランス重視か、あるいは、尖った性能か、選ぶことが出来ますので、この要素も含めると、キャラクターを比較的自由にカスタマイズすることが出来るわけですね。

 ・ダンジョン探索の醍醐味、それは、謎解き、宝箱、そして、強敵
 イドラスフィア(他のRPGでいうところのダンジョン)探索は、女神転生シリーズのように、現れた敵ミラージュを剣で斬って戦闘に入る、所謂シンボルエンカウントを採用していまして、敵を退けつつ、ダンジョン内のギミックを解いたり、宝箱を回収したりしながら最深部に待ち構えるボスを目指すことになります。
 もちろん、イドラスフィアごとにモチーフが異なっていまして、ギミックもその世界観に合ったものになっていまして、現代的なダンジョンから、和風テイストのダンジョン、そして、後半には、息を呑むようなダンジョンも待ち受けています。
 まあ、ペルソナ5をやった後だと、幻影異聞録のダンジョンは、あんまり魅力的に感じなかったのですが、それは、あくまでも序盤の方だけでして、徐々にギミックが凝ったものになっていくにつれ、段々と魅力的に思えるようになりましたね。もちろん、宝箱の回収もダンジョン探索の醍醐味でして、レアアイテムであればあるほど、そこに辿り着くまでが大変だったりします。でも、その方が断然燃えますよね。
 また、敵との戦闘も剣で怯ませることで容易く回避できる等、エンカウントを調整できるのもダンジョン探索においては、快適な要素だと言えました。ただ、あんまり回避し過ぎるといきなり囲まれたりすることが多くなるみたいですがw

 そして、通常の敵よりも高いレベルの強敵、ワイルドエネミーの存在は、イドラスフィアの探索に緊張感を与えてくれます。
 ハッキリ言ってこいつらはガチで強い。どれくらい強いかというと、1ターンで全滅させらる程、最悪、何も出来ずに終わらせられますねw しかも、ワイルドエネミーのシンボルは、剣で斬ってもガードされるため、エンカウントの回避も困難だと言えます。見かけたら近づかないか、通常のエネミーとエンカウントして回避するかして対策する必要があります。
 倒すためには、SPを使った必殺技『スペシャルパフォーマンス』の活用が不可欠だと言えますし、強力なアイテムを出し惜しみせず使い切ってしまう覚悟も必要かもしれません。スモークマシンなどの必ず逃げられるアイテムを使って逃げてしまうのもアリ……というか推奨ですねw
 もちろん、ワイルドエネミーを倒すことが出来れば、それ相応の報酬もあるため、あえて挑んでみるのもいいかもしれません。少なくとも、絶対に勝てない相手、ではないので。

 ・舞台は、流行の中心地
 物語の舞台は、日本におけるサブカルチャーの発信地、渋谷。デパートの屋上、スタジオ内などの小さなロケーションの他、原宿も歩けるようになります。
 町の作り込みは、かなり細かい所まで良く出来ているのですが、一番感心したのは、物語やサイドストーリーを進めることで、新番組や新曲のシングルなどのプロモーション用の広告やアナウンスなどがあちこちで行われるようになる点でしょうか。町の人たちもその話題で持ちきりになるなど、町そのものが少しずつ変化していく、まさに、流行が感じられる町、なんですよね。実際の渋谷もこんな風に変化があってワクワクするような街だとしたら、ちょっとうらやましいですねw
 もちろん、物語が進めば町にも大きな変化が訪れるわけですが……女神転生ファンなら「絶対、東京が滅ぶだろ!」と思われるかもしれませんが、果たしてw

 そして、本作がFEと女神転生のコラボということもあってか、どこかで見覚えのある人物やキャラクターも登場します。
 まあ、コンビニの店員さんや店のマスコットなんかは、一目見てすぐに分かると思いますが、他にも色々いますので、探してみるのも面白いかもしれません。
 ちなみに、町の人からクエストを依頼されることがありますが、まあ、報酬もしょぼく、正直、お使いレベルなんで、放ったらかしにしても別に問題ない気がしますw

 ・本編クリア後は、ボーカルコレクションで余韻に浸ろう
 本作は、RPGとしても非常に良く出来た作品なんですが、僕個人として推したいのは、やはり、全18ものボーカル曲でしょうか。
 恐らく、その道のプロが携わったと思われる名曲の数々は、棄て曲一切なしでどれもが親しみやすく、魅力的だと言えます。そもそも、本編を最後までプレイされた方であれば、物語やサイドストーリーを通じて彼らの思いを知っているわけですから、歌詞の内容にもより深みが出てくるわけでして、各曲への思い入れも段違い、というわけですね。(特に、『友達以上、恋人未満。』は、歌っている本人の気持ちを知っていれば、逆に笑えてくるというかw)
 ちなみに、ポップスが中心ですが、歌謡曲、特撮の主題歌、アニメソング、ボカロ、みんなのうた、デュエット、バラードとバリエーションも豊富で飽きさせません。本当にどの曲も素敵なんで、もしかして、ゲーム自体が、壮大なプロモーションだったのかもしれない、なんて思えてきますw
 作中で出てきたボーカル曲全てが収録されたボーカルコレクションは、エイベックス・ミュージックさんからサウンドトラックとして発売されていますが、iTunesストアでも配信されていることを確認していますので、気に入った曲だけでもDLする、といったことも出来るようです。もちろん、僕は、全曲DLしましたb

 ・最後に
 幻影異聞録♯FEについては、正直、序盤の方は、作品の雰囲気になかなか馴染めず、RPGとしてもそこまで魅力的に感じられなかったのですが、進めていくうちに、ゲームとしても物語としてもグイグイと引き込まれるものがありまして、いつの間にかハマってしまっていた自分がいました。何よりも、ボーカル曲が魅力的だったので、それがこの作品をより魅力的なものに仕上げているんじゃないかと思いました。本当に素晴らしいRPGだと思います。是非、皆さんにもお勧めしたいですね。
 一方、ここまで良かったとなると、続編を期待しないわけにはいきませんよね。セールス的には、あまり振るわなかったとはいえ、僕も含め、実際にプレイした人たちからは、高評価ですし、FEでもなく、女神転生でもなく、幻影異聞録としてのファンを獲得したんじゃないかと思っています。というわけで、続編も出たらいいなぁ、と思っています。もちろん、その時も今回と同じく、芸能をテーマとした作品であって欲しい、そう願っています。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

桜の灯籠

Author:桜の灯籠
ジャンルでは、RPGやFPSが好物。
シリーズだと『ゼルダの伝説』『ポケモン』『The Elder Scrolls』『Halo』かな。
でも、面白ければ何でもやるぜb

最新記事
カテゴリ
FEH (3)
最新コメント
リンク
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる