新生バイオショックはどうなのか? ~バイオショック インフィニットの感想~

 本日の話題は、バイオショックインフィニットの感想です。

 バイオショックシリーズは、冷戦時代の古き良きアメリカの雰囲気にオーバーテクノロジーが存在する海底都市『ラプチャー』を舞台としたSF作品です。そして、今作『インフィニット』では、舞台がなんと空に移りました!
 インフィニットでは、空中都市『コロンビア』に向かい、幽閉されている少女『エリザベス』を救出するのが目的となります。

 本シリーズの最大の魅力として挙げられるのは、やはりクオリティの高い世界観とストーリーでしょうか。
 宗教、心理学、哲学、物理学といった難解な題材を扱いつつ、SFファンを唸らせる細部まで作り込まれた設定に加え、綿密なシナリオ構成とプレイヤーをアッと驚かせるオチ、そして、それに伴う不変でありながらも奥深いテーマが魅力となっています。
 グラフィックに関しても評価するべき点が多く、特に水の描写が美しく、舞台が空中都市となった今作でもその点は健在しております。
 本シリーズは、一人称視点で物語が進み、かつ、ムービーは一切導入されておらず、全てのイベントがリアルタイムで発生し、それをプレイヤー自身が体感することになります。例えば、巨大な敵から逃れるシーンや目の前で重要人物が殺害されるシーン等も、全てリアルタイムで進行するのです。つまり、プレイヤー自身がアクション映画の主人公となるわけですね。
 また、本シリーズは、リアリティのある世界観を持ってはいるものの、登場するキャラクターは、まるでディズニー作品のように表情豊かで個性的であると言えます。まあ、流血表現、暴力描写は過激ですがw

 インフィニットでは、バイオショックの魅力であるこれらの要素はしっかりと受け継がれており、その魅力に一層磨きが掛かっていると言えます。

 恐らく、多くのプレイヤーが空中に浮かぶ都市『コロンビア』を目にした時に息を飲むでしょうし、実際に降り立ち、あちこちを探索し始めた頃には、すっかりこの都市の虜になっていることでしょう。
 前作までの舞台であるラプチャーは、荒廃しきっており、狂人の楽園と化した街だったわけですが、、インフィニットの舞台であるコロンビアは、栄華の極みにあるユートピアの状態であると言えます。また、前作が閉鎖的だったのに対し、今作は開放的で広々としたマップが印象的でした。
 もしかして、ここは天国か?思わずそう錯覚してしまいそうですが、実は、この町もある問題を抱えており、それが次第に混沌へと向かい、やがて終焉を迎えるのです。この空中の楽園であるコロンビアで一体何が起こるのかは、是非、御自身の目でお確かめください。

 シナリオに関しては、以前にもまして複雑かつ難解になっている印象を受けましたが、物語中に提示される問題に関しては、相変わらず考えさせられるものがありましたし、テーマに関しても心に響く魅力的なものだったと言えます。
 ただ、本作で語られるテーマに関しては、どちらかと言えば、子供がいる親の方が共感しやすいかもしれませんので、そのことを踏まえると、大人向けの内容であると言えますね。
 ちなみに、テーマについては、一応、序盤から提示されてはいるものの、ハッキリと見えてくるのは、最後の最後だと思うので、この場では伏せておくことにします。

 インフィニットで新たに加わった魅力と言えば、やはりヒロインの『エリザベス』でしょうか。見た目に関しては、やはり海外向けのヒロインではあるのですが、とは言え、洋ゲーの中ではかなり良い方だと思いますし、ディズニーのヒロインみたいに表情が豊かに動くのが魅力的ですねb

 エリザベスは、このゲームの目的でもあるわけですが、ピーチ姫のような助けられるだけの存在ではなく、時には、彼女が持つ力によってプレイヤーを助ける頼れる相棒として活躍することもあります。もちろん、ヒロインとしての魅力も持ち合わせており、パリに憧れを抱いたり、急に鳴き出した玩具のソングバードにビックリしたりするといった可愛らしい一面も持ち合わせています。
 ちなみに、エリザベスの行動や発言に関しては、なるべくプレイヤーのストレスにならないようにしてあるらしく、実際に、その場その場で適切な行動と発言をしてくれていると思います。また、エリザベス自身、自分の身は自分で守れるため、戦闘中は特に意識して守ってあげる必要はないようです。むしろ、的確にサポートしてくれるので有難い存在だと言えます。
 恐らく、開発チームもこのエリザベスの誕生までに相当な時間と労力を惜しんだことでしょうw

 シナリオ、グラフィック、演出面が評価されがちな本作ですが、多くの人に愛され続けてきた理由は、優れたゲーム性にあると言えます。
 FPSのように立ち塞がる敵をライフルやショットガンといった銃で撃っていくわけですが、そこに魔法に値する『ビガー』を織り交ぜることが出来ます。
 ビガーには、様々な効果があり、火炎弾で敵を焼き尽くしたり、電気ショックで麻痺させたり、といったものは基本的ですが、衝撃波を走らせて、直撃した敵を浮かせる、カラスの大群を呼んで敵に纏わりつかせる、水流で敵を押し流す、もしくは、引き寄せるといったものもあります。
 ビガーの中で最も強力かつ最もお世話になると思われるのが『ポゼッション』でしょうか。これは、敵を魅了して味方に付けるという効果なのですが、人間だけでなく、機械にも通用するのがポイントです。厄介なマシンガンタレットをポゼッションすれば、一転して頼もしい味方になりますし、逆に、敵兵もマシンガンタレットを攻撃し始めるので、それで破壊して貰うといったことも期待できます。
 更に、ビガーは、一度に二つ装備することが出来、それらは、メニュー画面を開くことなく、ボタンを押すだけで切り替えることが出来ます。よって、浮かせた敵に火炎弾をぶつけるといったコンボも素早く行えるわけですね。
 今作で登場するビガーは、どれも強力でかつ応用も効くようになっているため、是非、色々試してみてください。

 ビガーの他には、『スカイライン』もスパイスになっていると言えます。スカイラインとは、コロンビア中に張り巡らされたレールのようなものでして、これを伝って移動することが出来ます。スピードアップorダウンの他、反転したり、他のレールに飛び移ったり、移動しながら銃を撃つといったアクションも可能です。
 スカイラインを使えば素早く移動することが出来るわけですが、ピンチ時にそれを利用して逃げたり、スカイラインから地上にいる敵に強襲を仕掛けたり、といった使い方が出来ます。
 スカイラインでの移動はスピード感があって爽快ですし、何よりも上手く使いこなせば、戦場をピュンピュンと駆け巡り、次々と敵を倒していくといった格好良い戦い方が出来ますよ。

 銃撃戦、ビガー、スカイライン、そして、ここにエリザベスの能力である『ティア』も加わります。
 ティアに関する詳細は、ネタバレも含むため公開しませんが、戦闘中では、武器入りの樽、貨物用フック、マシンガンタレットといったオブジェクトを出現させることが出来ます。それらは、一度に一つしか出現させられませんので、どれを出して貰うか考える必要があります。また、フィールドによって出現させられるオブジェクトも決まっているといった制約もあります。
 マシンガンタレットは単純な火力としても期待できますが、場面によっては、貨物用フックで高所や敵の背後に移動することも出来るため、これを利用することも考えるべきでしょう。また、まずは壁を出して貰い、飛んでくる弾丸を凌ぎながら前進し、安全な場所を確保した所でマシンガンタレットを出して貰う、といった使い方も出来ます。
 ティアが使える場所では、まず、戦闘に入ったらどんなものを出現させられるかを把握しておき、次にどのように動くか作戦を練るのがいいでしょう。
 今作では、ストラテジー色が強まったとも言えます。

 敵キャラも種類が少な目で物足りない気もしますが、それでも他のシューターでは見られない個性豊かな敵ばかりだったと言えます。
 警棒を持って襲って来たり、銃撃して来たり、重火器を扱う敵、といった連中は定番ではありますが、火炎弾のビガーで攻撃しつつ、最期は自爆で道連れを狙って来る『ファイアマン』、カラスを使ったテレポートでプレイヤーを翻弄しつつ剣で攻撃してくる『クロウ』といった中ボスクラスの敵はもちろん登場しますし、『モーターパトリオット』や『ハンディマン』といった、ヘビーヒッターと呼ばれるビッグダディに相当する強敵も登場します。彼らは、単純に強いというだけでなく、それぞれがバイオショックならではの独特な魅力を抱えており、特に『ボーイズ・オブ・サイレンス』と呼ばれる敵は、登場回数こそ限られていますが、一度出会ったら忘れられないくらい強烈な個性を持っていると言えます。

 前作以上に戦闘に関しては力が入っており、難易度がノーマルの内はゴリ押しでも何とかなるかもしれませんが、ハード以上だと一筋縄ではいかなくなり、ビガー、スカイライン、ティアを上手く使いこなすことがポイントとなります。もし、本作の戦闘をより楽しみたいのであれば、高難易度でのプレイをオススメします。きっと本作の魅力に気付くはずです。

 全体的に過去作よりもパワーアップしたかのように思えるインフィニットですが、ファンからは賛否両論となりそうな点があるのも確かだと言えます。
 今までのシリーズでは、探索要素が全面的に押し出されており、RPG的な要素が強かったと言えますが、今作は、探索要素は控えめとなっており、シューターとしての魅力が強まった印象を受けました。
 前作までは、割と自由に動き回れたわけですが、インフィニットでは、基本的には他のFPSのように道が決まっているわけです。ただ、マップによっては自由に動き回れるところもありますし、隠されたアイテムを見つけるといった楽しみもないわけではありません。とは言え、今までと比べてその点が弱くなったのは間違いないでしょう。

 また、今までは、サバイバルホラーとしての魅力も少なからずあったと思われます。さすがに今作でホラー要素を期待するのは、それはちょっと違うんじゃないかと突っ込まざるを得ませんが、サバイバル要素が薄れた点はやや残念に感じる所があるかもしれません。
 武器に関しては、あらかじめて持っているものを強化していくわけではなく、今作では、強化要素こそあるものの、銃は落ちているものを拾うといった従来のFPSタイプのものであり、弾薬に関しても敵が落とす分を拾ったり、自販で買うといった要素はありますが、弾薬が少なくなったらエリザベスが拾ってきてくれるので困ることはそんなにないかもしれません。
 体力に関してもアイテムを使って回復する要素はありますが、自動回復するシールドが加わり、やはりこちらもエリザベスが体力の回復キットを拾ってきてくれるため、回復アイテムが尽きて危ない!といったサバイバルならではのドキドキ感はないかもしれません。

 もし、バイオショックにRPGやサバイバル的な要素を求めており、それがバイオショックらしさであるとするなら、インフィニットはハズレかもしれません。
 ただし、シューターとしての魅力はかなり強いと思いますので、そういった人でも新しい面白さに出会えるかもしれません。僕自身は、RPGやサバイバル要素が薄れた点を問題としつつも、本作のシューターとしての部分は大いに評価しています。
 それでも従来のバイオショックを求めるのなら、今回は買うべきではありませんが、もし、新しいバイオショックに期待するのであれば、是非、プレイしてみるべきでしょう。

 それから一つアドバイスを。
 もし、一度クリアしたとしても、そこでプレイをやめるべきではありません。更に上の難易度にチャレンジするべく、二週目もプレイするべきです。本作をクリアしたあなたは、物語を理解するための『鍵』を手に入れることが出来ます。つまり、二週目では、新たな発見に出会える可能性があるのです。

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桜の灯籠

Author:桜の灯籠
ジャンルでは、RPGやFPSが好物。
シリーズだと『ゼルダの伝説』『ポケモン』『The Elder Scrolls』『Halo』かな。
でも、面白ければ何でもやるぜb

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